7金シンドローム

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My Fair Princess レビュー

 こんばんわ。娘の成長はテンキーの有無に左右されるんじゃないかと誤解しているプリメおじさんこと@more_iyanです。
 書こう書こうとすっかり書かずじまいだった、My Fair Princessのレビューを、今更ながら書こうかと。

 ものすごく要約すると。
 ファンタジーな世界で退役軍人となったプレイヤーは、戦災孤児だった10歳の娘を引き取る。
 王都ドラッケンで強く優しく逞しく、16歳の誕生日を迎える日まで、娘の夢であるプリンセスを目指して、一生懸命育てる。
 そんな世界観で遊ぶ、癒やし系ワーカープレイスメント系カワイイ系ゲームです。


 というわけで、しっかり紹介いたします。

ゲームタイトル: My Fair Princess
ゲームデザイン: kuro
アートワーク: 色(パッケージ・ゲームボード)・太平洋海(キャラデザ・キャラ立ち絵)・まめのきなこ(娘個性イラスト・イベント)・くろにゃこ(アワード)・TARO(ロゴ&台紙)
プレイ人数: 3〜4人(4人推奨)
プレイ時間: 100分
製作(出版): Manifest Destiny

 世界観は上記の通りで、メカニクスとしては緩めのワーカープレイスメント。
 選んだアクションは早い者勝ちでは無く、後手番の人も相乗り可能。のみならず、大枚をはたけばお金を払って先乗りした人の邪魔も可能です。
 事前に公開されていたルールを読み、「ワカプレ要素で重めの萌えゲーか。買うしか無いな」と思い、予約&購入したのを今でも覚えています。

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 コンポーネント。ひしめくかのように詰まっています。
 メインボード、個人ボード、チットたくさん、カードたくさん。これぞ充実。

 これらのコンポーネントをフルに使ってプレイするのですが、初プレイに加えてインストも含めると、時間は長めに150分。
 テーブルは75cm x 150cmもあれば十分かと思います。

 VP(勝利点)だけが全てを制する世界のゲームではありません。娘への配慮を忘れないプレイを心がけましょう。
 ルールは公式サイトにて公開されております。


 というわけで。
 初プレイだとやや重く感じるかもしれませんが、アペンドルール込み、個性カードは英語版(の日本語訳版)をお勧めいたします。
 プレイ中に注意する点として、慣れていないうちは特に、
 "フレンドシップボーナス(受け手はレベル+1のみ、誘い手はレベル+1と+1VP)"と、
 メニュー選択での"貨幣の除去(手元にある価値の高い方の貨幣は捨てて、ボードにある価値の低い方を取り除いて手元に受け取る)"に気をつけましょう。
 稀に起こる病院送りも細かな処理が生まれます。
 とはいえ、基本的な動きはワーカープレイスメントらしくスムーズ。プレイヤー自信がこなれてゆくにつれ、娘もすくすくと成長していきます。
 また、2年に一度開催される王国際では、見返り(報酬)も大きい分、特に濃いプレイヤー間のやりとりが楽しめます。

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 プレイが進むと、肝心の娘も年を重ね、個性がよりくっきりと表れます。
 武闘派スタイルだけど引きこもり山ガールの娘さんや、知能派天然中二病の娘さん。
 バランス系方向音痴腐ガールな娘さんと、プリンセス度の高い銭ゲバ貧乏性の我が娘。
 といったような、自由奔放な個性で溢れかえります。

 周囲からの娘の評判はともかく、時は流れ、個性溢れる娘達は16歳の誕生日を迎えます。
 選択ルールとして、エンディングを確認するか否かを選べるのですが、是非とも確認する事をお勧めします。
 このゲームの発端たるプリンセスメーカーに思い入れのある方であれば、まず間違いなくニヤリとするでしょう。

 1ゲームに150分近くのプレイ時間を費やすこともあり、プレイ後の充実感はひとしおです。
 アクション自体はシンプルなので、疲労困憊でプレイを終えることもないだろうと思います。

 そして、このゲームの大きな特徴の一つとも言える要素ですが、ゲームを終えてプレイを振り返った際、「こうすればVPトップで終えられたのか」といった感想はまず出てきません。
 詳しくは後述しますが、このゲームで目指すべきもの、最も大切なものはVPではありません。最優先が何であるかは、マニュアルに記載されています。

 ゲームが終了した時点で、他のプレイヤーよりも多くの名声(=VP)を得るのがゲームの目的ですが、王子と結婚してプリンセスになるのにVPは必要ありません。さらに言えば、ゲームの勝敗すら体裁を整える為に用意されたものであり、大きな意味を持ちません。
 本ゲームの意義は「娘を育てる父親」をロールすることにあり、ゲーム終了時に独り立ちする娘を愛することのできた、全てのプレイヤーが勝者となるのです!
 (My Fair Princess マニュアルより)

 こういった局所的な点を楽しめる人、楽しめない人と二分化される面がこのゲームには込められています。喜んで受け入れる人と、興が醒めてしまう人と。
 ポイントを列挙すると、

楽しめる人(このゲームをお勧めできる人):
ボードゲーム版のプリメみたいなのを遊んでみたい
・かわいいの大好き
・VPにとらわれずプレイしたい
・自由気ままに性格を変える娘の成長を見守りたい
・アクションを相乗りできるワーカープレイスメントが好き
・戦略より作戦、作戦より戦術を重視
・主役はプレイヤーでは無く、プレイヤーが担うキャラクターだと思う

楽しめない人(このゲームをお勧めできない人):
・プリメは嫌い
・萌えゲーはちょっと……
・VPトップの人がゲームの勝者であるべき
・自分の操るキャラクターはきっちり制御したい
・せっかくスタP取ったんだから、アクションは相乗りされたくない
・1つの戦略で安定して勝てるゲームをやりこみたい

 といった点が挙げられます。良くも悪くも、人を選ぶゲームです。少しだけ具体的なシーンで例えると、
「今さっき遊んだ4グリの熾烈な増員競争と、VPの奪い合いは非常に苦しかった。同じくらいのプレイ時間で、もっとのびのびと、ファンタジーな娘をじっくり育てて癒やされたい」
なんて時こそうってつけだと考えています。

 親の描く理想像そっちのけでコロコロと性格が変わりゆく娘を、6年間という150分で育てるゲームです。
 主役はプレイヤーではなく、同い年の友達と切磋琢磨する、盤上の娘。
 「プレイヤーがアクションする」ではなく、「娘にアクションさせる」「娘とお友達にアクションしてもらう」感覚は、フレーバーだけにとどまらない
 「子育て感」の楽しみが秘められているゲームです。(偉そうに書いてますが、私は独身小無しです。エヘヘ。)

 余談ですが、一部の判定での計算式がやや煩雑なこともあります。
 中でも、『毎ターン開始時の処理』や『フレンドシップの計算式』『王国祭での判定値やアワードの枚数』は慣れていても、マニュアルを見返すこともあります。
 拙作ですが、これらのサマリーを用意しましたので、プレイのお供に使ってみて下さい。

英語版・アペンドありに準拠

○王国歴カレンダー

1年目上半期 | セットアップ
1年目下半期 | 行動順決定・イベント追加
2年目上半期 | 行動順決定・イベント追加・恩給・個性の発現
2年目下半期 | 行動順決定・イベント追加・王国祭
3年目上半期 | 行動順決定・イベント追加・恩給・個性の発現・メニュー追加
3年目下半期 | 行動順決定・イベント追加
4年目上半期 | 行動順決定・イベント追加・恩給・個性の発現・メニュー追加
4年目下半期 | 行動順決定・イベント追加・王国祭
5年目上半期 | 行動順決定・イベント追加・恩給・個性の発現・メニュー追加
5年目下半期 | 行動順決定・イベント追加
6年目上半期 | 行動順決定・イベント追加・恩給・個性の発現
6年目下半期 | 行動順決定・イベント追加・王国祭


○フレンドシップ(大会ではフレンドシップは起こらない)

  1. 1 VP: メニューの左端にポーンのある娘のみ獲得
  2. 1 レベル: 自分以外に何人いても、いくつのポーンがあっても、+1 レベルのみ


○王国祭に関して

・大会で参照するスキル:
闘技大会……実技
舞踏大会……実技 or 座学(より低い方を選ぶ)
料理大会……座学

・戦績(判定値の計算)
 判定値 = (サイコロを振って出た目) + (メニューのレベル もしくは 参照したスキルのランク)

・大会の報酬
1位……(参照したスキルのランク + メニューのレベル)分のVP + (アワード※1 or 2VP)
2位……(参照したスキルのランク)分のVP
※1……アワード山から(メニューのレベル)枚引き、その中から好きな1枚を選んだ後、残りはアワード山の下に戻す


2016年2月現在、入手はやや難しいかもしれませんが、プリメ感覚で娘を育てたい方には是非ともオススメしたいゲームです。