7金シンドローム

アナログゲームとかデジタルゲームとかそういうの

電源使わない方のスターライトステージ

 おんなじ名前の音ゲーがリリースされてしまいましたね。@more_iyanです。

 今回はシュレディンガーゲームズさんによる、"スターライトステージ"を紹介しようと思います。
 同名のゲームに影を潜める前に、バランスもシステムも整っている、おすすめの萌えゲーだからこそ、今頃書いてます。
 ご安心下さい。リセマラ不要でお楽しみいただけます。


 "スターライトステージ"が発売されたのは、2014年8月。
 コミケ86で初の頒布だったようですが、当時の私は箱絵と簡単な説明だけを目にし、「またこういうのか」と購入見送りを決め込んでいました。
 「またこういうのか」というのは、大雑把に言うと「萌え系アートワークに力は入ってるんだけど、ゲームシステムが薄かったり軽すぎたりそもそもマニュアル読んでもルールがよくわからないやつ」です。
 アイドル萌え系のアートワークだけな、ゆるーい拡大再生産っぽいものなんだろうなぁ。
 そういう先入観を持ったまま、"宝石の煌き"を遊んでたりしました。

 それから1か月ほど後。
 すっかりスターライトステージの事は頭から抜けきっていたのですが、Twitterでとあるフォロワーさんがスターライトステージについて、横の卓で評判良くプレイされていたというツイートを見て、思い出しました。
 そこでようやく、シュレディンガーゲームズのサイトを開き、ルールを一読。
 メカニクス的には、ハンドマネージメントとセットコレクション。端的に書くと、よくあるやつです。
 手番毎に資源を集めて、生産力を伸ばしたり、勝利点を買ったり。最初のうちは狭かったり小さかったアクションが、ゲーム中後半になると、どんどん出来ることが増えていく、というもの。よくあるやつです。

 「ルールを読んだ限りだと、つまらなくはなさそうだけど、本当に面白いのかなぁ。というか、宝石の煌きやってればいいんじゃないの? あーでも萌え系ゲーム欲しいしなぁ。でもよくあるやつだしなぁ」という半信半疑でどっちつかずな期待のまま、購入しました。


 (確か)イエローサブマリンでスリーブと一緒に購入した後、カードを一通り眺め、チップを数え、ルールを再読。
 そこで感じた点が、ゲームシステムとアイドル要素がかみ合っているところ。
 とってつけたようなテーマでもなく、やっつけでこさえたようなシステムでもなく。アイドル要素に親近感があれば、ルールも覚えやすく。ルールを読み終えた後には、アイドル要素に違和感は覚えない。すごく自然にフィットしたような、そんなテイスト。
 とはいえ実際にプレイしてみないと、ゲーム自体が楽しいのかどうかがわからないのも、よくある話で。その後、友人知人や色々な人達と何度かプレイ。

 そこで掴んだのは、「なかなかいいじゃない」という感触。大変失礼な言い回しですが、ホントにその時の感覚は、この言葉。萌えゲーだと軽く甘く見てました。ごめんなさい。
 雰囲気やルールの詳細は、公式サイトにお任せいたします。ルールも公開していらっしゃるので、ここでは割愛。
 ただ一つだけ書いておくと、「タレント(チップ)」と「実績(イベントカード)」の違いには注意しましょう。初プレイ時、思いっきり間違えてしまいました。


 割とふわふわとした事ばかりを書いていますが、ここでもうちょっとゲームシステムについて書いておこうと思います。比較的近しいルールの"宝石の煌き"をライバルに、あれこれと。

 ルール自体の複雑さは、"スターライトステージ"の方が、少しだけ複雑です。というより、"宝石の煌き"がおそろしくシンプルなのだとは思うのですが。
 反面、一手一手に勝敗の重みが強くかかっているのは、"宝石の煌き"。実にシビア。
 じゃあ"スターライトステージ"は適当にやってても勝てるのか、というと、そうでもなく。細かな点で知識や経験が反映される場面もあります。

 個人的に"スターライトステージ"を強く気に入っているポイントが、まさにこの要素です。シビアすぎない一手の重みや難易度を「優しさ」と解釈しています。
 だからこそ、ボードゲームや"スターライトステージ"のプレイ多寡を問わず、このゲームは同卓しやすいんじゃないかなぁ、と。
 とかく嫌われがちな萌えゲーですが、好む人達も一定数いるわけで。そういう人達でも、経験問わず集まりやすいゲームじゃないかなぁ、とも思っています。

 と、手放しで褒めるように書いていますが、気になる所が全くないわけでもなくて。
 《スーパーアイドル 天河沙織》、強すぎないかなぁ、とか。あぁでもわかりやすい強さだから、初心者さんにも強さが伝わりやすいよなぁ、とか。とはいえ慣れた人達同志だと、メチャクチャ重要なアイドルだよなぁ、とか。
 こういった所は、今後の拡張(頒布されるといいなぁ、と願っております)に期待しつつ。
 期待してても待ちきれないプロデューサー達には、『天河沙織は、アイドル山札の下半分に入るようにシャッフルする』がおすすめのヴァリアントルールです。


 ハードコアなボードゲーマーさん達には目の敵にもされやすく、受け入れられる人達にも「どうせ大したことないんでしょ?」とスルーされがちな萌えゲーですが、それでもオススメしたいくらいに楽しいゲームもあるわけです。
 楽しめたら、拡張カードセットも、是非。新たなアイドルによってプレイの幅が広がり、新たなプロデュースカードによって、ゲーム展開にちょっとした変化が表れます。
 拡張カードセットについてくる、ストレージもオススメです。本体と拡張のみならず、いろんなゲームも入れられる、固くて使いやすい、余裕たっぷりのストレージです。


 というわけで、iOS版リリース間近のビッグウェーブに飲まれる前の、勢い任せのレビューでした。